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しわ・たるみに効く注射の種類をリサーチ
しわやたるみの改善に使用される美容注射のおもな成分と、その効果について解説しています。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、もともと人間の体にある成分。保水機能をもつムコ多糖類のひとつで、とくに水を保持する力が高く、1gで6リットルの保水力があるといわれています。
しかし、加齢によって体内のヒアルロン酸は減少していきます。30代から徐々に減り始め、40代になると赤ちゃんのときの半分、60代になると4分の1にまで減少してしまいます。
ヒアルロン酸が減少すると肌の弾力やみずみずしさが失われ、しわやたるみが目立つようになるのです。
治療可能部位
額、頬、ほうれい線、口の周り、マリオネットライン、下顎
注射に使われるヒアルロン酸溶剤
ジュビダームビスタシリーズ
2014年に国内で初めて製造販売を取得したヒアルロン酸使用軟組織注入材。
顔のしわや溝がある皮膚の下に注入し、肌を盛り上げることでしわを目立たなくしようというものです。
独自の製造プロセスを採用することで、なめらかな質感のヒアルロン酸ゲルを実現。肌に注入したときに、外観や肌触りが自然に仕上がります。治療効果も1年もの長期間持続します。[注1]
2016年にはジュビダームビスタボリューマXCが販売承認されました。
参照元
[注1]
ジュビダームビスタの製品特性
レスチレンシリーズ
1996年、世界で初めて、欧州でCEマークを、2003年にアメリカでFDA承認を取得した非動物由来安定化ヒアルロン酸皮膚充填材。その安全性と有効性プロファイルが確認されています。
「レスチレン リド」「レスチレン パーレン リド」は、ほうれい線など、中度から重度の顔のしわの矯正や整容を目的としたヒアルロン酸使用軟組織注入材。疼痛緩和目的のために、リドカインを含みます。
このシリーズは世界でもっとも多く使用されていて、世界90ヵ国以上において3,000万回以上に及ぶ治療実績をもっています。[2]
参照元
[注2]
レスチレン® シリーズ
ボツリヌストキシン(ボトックス)
ボツリヌストキシンとは、ボツリヌス菌が作り出す神経毒のこと。毒というと体に悪そうな感じがしますが、ボツリヌストキシンで注入される量は、濃度も薄く、致死量の100分の1以下といわれ、一度に何百本も打たなければ、命にはかかわりませんし、適切に使用すれば副作用の心配もほとんどありません。
ボツリヌストキシンには、筋肉の働きを抑制させる働きがあるといわれています。そのため、表情筋によってできたしわの改善や、エラが張って顔が大きく見える場合の小顔効果などが期待できます。
治療可能部位
眉間、目尻、おでこ、エラ、下あご、口の上のしわ、鼻のしわ、首の横しわ、リフトアップ(フェイスライン)。しわの改善のほか、頭痛や肩こり、ワキガ・多汗症の治療にも用いられることがあります。
注射に使われるボツリヌストキシン溶剤
ボトックスビスタ
しわ治療法の注射薬のひとつ。眉間や目尻など、表情じわができている箇所に注射し、しわの原因となっている筋肉をリラックスさせることで、表情じわを目立たなくしていきます。
ボトックスビスタの成分は、医薬品として使用されているA型ボツリヌス毒素。細い針での注射で手術を伴わないので、施術時間は10分前後で済み、治療後のダウンタイムもほとんどありません。
コラーゲン
タンパク質のひとつで、人間の体内にも存在している成分。人間の体を構成するタンパク質のおよそ30%を占め、皮膚の70%をコラーゲンが占めているといわれています。
肌だけでなく、関節や骨、血管にも関わり、肌のハリや弾力を保つほか関節をスムーズに動かしたり、骨を丈夫にしたり、血管をしなやかに保つという働きをしています。
コラーゲンは体内で生成されますが、加齢によって新陳代謝が衰えると生産量も減少し、その機能も低下していきます。
治療可能部位
目元、口元
アレルギーチェックの必要性
ヒアルロン酸もコラーゲンも体内でつくられる成分ですが、タンパク質のひとつであるコラーゲンは、人によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。そのため、コラーゲンを注入する際には、治療の1カ月以上前にアレルギー検査をする必要があります。
コラーゲンもヒアルロン酸も、同じ用途で用いられるのですが、質の良いヒアルロン酸が開発され、アレルギーも起こりにくいことから、現在ではコラーゲンよりもヒアルロン酸が主流になっています。

【取材】ヒアルロン酸を打ったYukoさん
ほうれい線が気になってヒアルロン酸を打った方へインタビュー!効果や痛みなど具体的にお伺いしました。…しわ・たるみの注射エピソードを読む