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美白・シミ対策の注射成分
美容注射に配合されているおもな成分の種類と美白への効果を紹介しています。
美容注射の種類と美白成分
しみを予防したり、できてしまったしみを薄くするという効果が期待できる成分が美白成分です。具体的には
- メラニンができる過程に働きかけ、メラニンの生成を抑える
- メラニン色素に変換するチロシナーゼを減らす
- ターンオーバーを促進し、メラニンを古い角質と排出し、できてしまったメラニンを薄くする
という作用があるといわれています。
また、美容注射に含まれている美白有効成分には、厚生労働省によって認可されたものもあります。
厚生労働省に認可された美白成分は
- メラニンの生成を抑え、しみ、そばかすを防ぐ
- 日焼けによるしみ、そばかすを防ぐ
- 美白
という表現を使うことができます。逆にいうと、厚生労働省に認可されていない美白成分は、こうした表現をすることができません。
厚生労働省認可の美白有効成分は現在のところ、20種類ほどあるといわれていますが、ここでは、代表的なものを紹介します。
ビタミンC誘導体
抗酸化作用や美白作用などが期待でき、肌に良いといわれているビタミンCですが、もろく不安定な成分でもあります。水の中で壊れやすいため、化粧品に配合してもその効果が発揮できません。
そのビタミンCを安定させて、肌に吸収しやすくしたものがビタミンC誘導体です。
ビタミンC誘導体は、メラニンが生成される過程を阻害したり、メラニン色素を還元したりする効果があるので、シミの予防や改善に期待できる成分です。
そのほか、ターンオーバーを整えたり、コラーゲンの生成を促したり、活性酵素を抑える働きもあります。
プラセンタ
動物の胎盤から抽出されるプラセンタ。哺乳類の胎児を成長させる役割をもつ胎盤には、アミノ酸、タンパク質、糖質、ビタミン類、ミネラル、核酸、ペプチド、ムコ多糖類などの豊富な栄養素が含まれています。
とくに肌の細胞を活性化させてターンオーバーを促す作用のあるアミノ酸が豊富。そのため、色素沈着により発生したしみやくすみなどを改善する効果が期待できます。
また、チロシナーゼの働きを阻害するため、メラニンの生成を抑えることができるといわれています。
プラセンタはサプリメントで経口摂取する方法もありますが、体内に直接注入する注射による摂取がもっとも効果が高いよう。
近年は、植物から抽出される植物由来のプラセンタもありますが、美容注射で使用するものはすべてヒト由来のプラセンタです。
ヒト由来のプラセンタで主流の溶剤は
- ラエンネック
- メルスモン
の2種類です。
トラネキサム酸
人工的に合成されたアミノ酸の一種であるトラネキサム酸。炎症やアレルギーを抑える働きがあり、医療の現場では湿疹やじんましんの治療などに使われていたのですが、2002年、厚生労働省から美白効果のある成分として認可されました。
トラネキサム酸には、しみの原因となるメラノサイトの活性化を抑えたり、炎症を抑える働きがあります。この働きによって、肝斑、老人性色素斑、炎症後色素沈着、そばかすなどに効果があるといわれています。とくに、肝斑の治療にはトラネキサム酸は欠かせない成分になっています。
トラネキサム酸には、美白効果のほか、潤い・保湿効果も期待できます。
ビタミンE
「トコフェロール」「α-トコフェロール」とも呼ばれるビタミンE。
ビタミンEの特徴は、なんといっても抗酸化作用の高さにあります。活性酸素はメラニンを増やしてしみをつくったり、肌の組織を壊してしわやたるみを引き起こすなど、肌に悪影響をおよぼすのですが、ビタミンEには、この活性酸素を防ぐ効果があります。
ビタミンEには、毛細血管を広げ、血流を良くする作用もあります。血流が良くなることで新陳代謝が活発になり、肌のターンオーバーも促進されます。
また、ビタミンCと一緒に摂ることで、より高い効果が得られるといわれています。
ニコチン酸アミド(ビタミンB)
水溶性のビタミンのひとつで、「ナイアシンアミド」とも呼ばれます。
ニコチン酸アミドには、メラニンの生成を抑える働きがあり、しみやそばかすを防ぐ効果があるといわれています。
メラニン色素がつくられると肌の表面へと移動していき、それが表面にあらわれるとしみになるのですが、ニコチン酸アミドには、肌の奥でできたメラニン色素が表皮細胞に受け渡されるのを抑える作用があります。
血行を促進させる働きもあるので、肌のターンオーバーを整える効果も期待できます。
また、角質層のセラミドに働きかけ、セラミドの合成を助けたり、バリア機能をサポートするため、皮膚の乾燥や肌荒れを防ぐとも考えられています。
その他注目の美白成分
厚生労働省認可の美白有効成分ではありませんが、グルタチオンも美白効果があるとして注目の成分です。
グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸によってできた化合物。おもに医薬品として利用され、肝機能の改善や、美白・エイジングケアのための医薬品の原料として用いられています。
グルタチオンには抗酸化作用があり、しみの原因となる活性酸素を抑える働きがあるといわれています。
美白に効果があるといいわれている、いわゆる「白玉注射(点滴)」は、このグルタチオンを主成分とした注射のことです。

【取材】プラセンタを打ったKeikoさん
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